リズと青い鳥(響け!ユーフォ二アム)感想・考察(評価)作品の中の演出や意図について考えてみた【随時更新(予定)】
作成日:2018/4/21
今回は、2018/4/21(土)日より公開された映画『リズと青い鳥』を鑑賞しましたので、ネタバレてんこ盛りの感想・考察を記事にします。
今回試写会には行っていないので、完全に初見で見て感じた印象に感想と考察を纏めたいと思います。二人の感情の全てを追うにはまだまだ物語の咀嚼の時間が足りないので二回・三回と鑑賞して違ってる所は随時訂正・追記していきたいと思います!
映画の感想・考察記事を執筆する際の定型文とさせていただきますが、見当違いな見方をしてる部分も多々あるかと思います。あくまでも一個人の感じた心象とお捉え下さい\(^o^)/
この演出は~では?といった抗議文や異論は沢山お待ちしております!(語りたいだけ)
- リズと青い鳥【公式サイト】
- リズと青い鳥【イントロダクション】
- リズと青い鳥【あらすじ】
- 童話『リズと青い鳥』【ストーリー】
- リズと青い鳥【スタッフ・キャスト】
- 映画予告PV
- リズと青い鳥【公開前の疑問から考えてみた】
- リズと青い鳥【気になった所の考察】
- 感想・考察のまとめ
リズと青い鳥【公式サイト】
リズと青い鳥【イントロダクション】
今回の作品は本編の『響け!ユーフォ二アム』とは作風もキャラデザも一新しての放映でした。タイトルからも『響け!ユーフォ二アム』の文字が外れていますのでこれぞ‘‘京アニ‘‘ってキャラクターデザインを求めている方にとっては少々目が物足りない所はあるかもしれません。
リズと青い鳥【あらすじ】
今回の作品は本編の『響け!ユーフォ二アム』のスピンオフとしてみぞれと希美の二人の関係性の移ろいを、まさにこの二人を象徴していると言っても過言では無い童話『リズと青い鳥』の物語と並行して進行していく流れでした。
童話『リズと青い鳥』【ストーリー】
この童話作中オリジナルなんですね。なんか聞き覚えのあるストーリーだったのでてっきり既存かと思ってました。他に似た童話のタイトルだと内容は全然違いますが「青い鳥」でしょうか?
リズと青い鳥【スタッフ・キャスト】
【スタッフ】では『たまこラブストーリー』でも監督を務めた山田尚子さんが今作でも絵コンテ・演出を担当されたそうでたまこ&もち蔵の時のような繊細な心理描写をみぞれ&希美でも魅せてくれるのではないかと期待が天井抜けでした。まぁ実際鑑賞して天井どころか宇宙まで行きそうでした(笑)
【キャスト】では新一年生として剣崎ちゃんがオーボエ奏者のみぞれの後輩として他の新一年生より早くアニメ化デビューしましたね。ある意味みぞれと相性良いのでは?と思ったりしました。また、リズ/少女役として本田 望結さんが声優初挑戦してました。童話の中の内気で孤独な少女‘‘リズ‘‘と陽気な性格の青い鳥の二役でしたが見事にマッチしていて流石と言える演技ぶりだったと私は思いました。
映画予告PV
以下ネタバレ含めた感想・考察です!!
リズと青い鳥【公開前の疑問から考えてみた】
なぜキャラクターデザインを変えたのか?
『リズと青い鳥』という作品には合わなかったからだと思います。映画をご覧になった方ならある程度共感して貰えるかと思いますが、今作では『響け!ユーフォ二アム』シリーズのような隅から隅までが現実ではなく童話を絡めて物語が進行しています。逆に以前のキャラデザのままだと『リズと青い鳥』の現実と童話の世界や『響け!ユーフォ二アム』の世界と大きく乖離*1するものと感じました。
個人的には本編より等身が高くより実写に近くなったキャラデザも好きでした。
なぜ女優さんを起用したのか?
知ったこっちゃないです(笑)
個人的には童話の世界を女優さんが演技する事によって逆に実写に近い色味が出るのかとかいろいろ邪推しますが、たらればの域を出ません。純粋にオーディションなんでしょうかね??
原作からの改変は?
原作を読んでいる方なら勿論落とし所も気になっていた事でしょう。まあ原作は黄前相談所こと久美子無双でしたが、今作ではみぞれと希美が主人公なので久美子は映りはしてもとことん喋らなかったですね。本編ではみぞれの本気の演奏の後で追いかけるのは久美子の役目だったと思うのでそのあたり少し違っていたかなと思います。
リズと青い鳥【気になった所の考察】
冒頭のdisjoint→終盤のdisjointの意味
冒頭の確かタイトルイン近辺と終盤で出た文字です。純粋に訳せば
- disjoint(関節がはずれる、ばらばらになる)
- joint(関節、節)
上記の二つです。英語は全くできないので信憑性に欠けますが他にそれらしい訳はなかったように思います。都合の良い解釈をするなら
- 『響け!ユーフォ二アム』という物語の楽譜の小節から外れる。
- みぞれと希美二人の関係が壊れる。
- 高校まで重なっていたみぞれと希美二人それぞれの道が外れる。
- 『響け!ユーフォ二アム』という物語の楽譜の小節に戻る(二年生編へと)
- みぞれと希美二人の関係が戻る。
- 外れていたみぞれと希美二人の進路がみぞれは音大、希美は普通大それぞれの進路の道へと繋がった。
いずれも推測の域を出ないですし見当違いな気もします。そもそもこの英単語じゃなかったらお恥ずかしい限りです・・・。
みぞれと希美のお互いの好きの形
作中で南中伝統のお互いの好きな所を言い合う『大好きのハグ』みぞれは主に「希美の~が好き」と性格や行動等希美自身が大好きだという気持ちを吐露していましたが希美は「みぞれのオーボエが好き」の一言でした。この1シーンでみぞれと希美のお互いの好きの形が如実に露呈する形になったと思います。
正直自分のこの一文だけではこの二人の感情は表せないくらい複雑なものと考えながら思い至りました。あくまで片鱗の予想となります。
みぞれからの希美に対する気持ちは明確な「愛」そのもので、対して希美からみぞれへの気持ちは「他の友達よりは特別な好き」だったのかもしれませんし、みぞれからの「愛」と同じくらいの感情を持ち合わせてはいてもみぞれは自分の側にいてくれるのが当たり前だと確証はなくとも思っているのか・・・。
『リズと青い鳥』リズはみぞれ?希美?
これはこの作品の主題といいますか本質だと思いますが、作中の通りでしょう。
- リズ→希美
- 青い鳥→みぞれ
『響け!ユーフォ二アム』シリーズから入るともれなくリズ→みぞれ、青い鳥→希美というミスリード*2を喰らってしまいがちになりそうです。
写真はパンフレットの一部ですが、青い鳥が大切で逃がしたくないみぞれと対照的に青い鳥の旅立ちを促すかのように手を挙げる希美のイラストのように見えますね。童話のリズは青い鳥が大切で愛しているからこそ送り出すのでイラストのイメージからは希美がリズだと汲み取れそうです。
剣﨑ちゃんなんの意図がある言い間違い?(多分そのうち消します)
冒頭の方ですが、剣崎ちゃんが自分の事を鎧塚と言い間違えたり確か他にも誰かが鎧塚と言い間違ったりしてたような記憶があります。これは単純に疑問です。
『リズと青い鳥』ハッピーエンドだった?
個人的には今の時点ではハッピーエンドかバットエンドだったかと問われればどちらかを決めるのはまだ早いのでは?と言わざるをえないかもしれません。だってまだ物語は終わってないのですから(逃げ)
これは見る人それぞれ回答が分かれそうな作品だったと思います。しかし希美が吹奏楽部に戻ってきた時みぞれは間違いなくハッピーだったはずです。この笑顔が全てを物語っています。できれば本作でもこれぐらい明快なハッピーエンドであったならベストでしたがそれは難しかったでしょう。
みぞれと希美それぞれの視点から言えば希美は「物語はハッピーエンドがいい」とリズと青い鳥を評しました。現実でも希美はみぞれを音大に送り出しました。希美は「また会いに来れば(行けば)いい」と考えているのでしょうか。問題はみぞれです。
みぞれは「希美さえいればいい」という考えですから、もしかしたら違う学校に行くという時点でバットエンド以外に他ならないのかもしれません(笑)
感想・考察のまとめ
今回の『リズと青い鳥』は他のシリーズ作品に比べても一言一言に含まれている言葉の意味の密度が違って、脳と目と耳に全神経を巡らせて二人の一挙手一投足に括目して見る映画でした。
冒頭のセリフが無くても音楽と二人の動きだけで始まりタイトルが出るまでの数分だけでこの作品の魅力に取り憑かれるには充分でした。 個人的には心に「響く」一作となりました!
パンフレットの【スタッフトーク×キャストトーク】を読んだ後だとまた違った視点で作品を楽しむことが出来ると読んでて感じましたので複数回の鑑賞には必携です!
今回の『リズと青い鳥』やはり現状自分はハッピーエンドかバットエンドかを決めるのはまだ尚早なのではないかと思います。願うなら二人が幸せになって欲しい所です。どちらかというとハッピー(バット)エンドという言葉よりも前向きな始まりというニュアンスが合う終わりでしたしね。
今作では舞台は徹底的に学校の敷地内で完結していましたが、学校=鳥籠という感じなのでしょうか。是非続編では学校という鳥籠から飛び立った本気のみぞれのオーボエを関西、全国大会で響かせて欲しいです!!
是非『響け!ユーフォ二アム』シリーズを見た事が無い人にもこの作品から作品の魅力に気付いて貰えればとも思います。
以上です。
※一部の画像を比較・研究目的により使用しています。画像の著作権は©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会に帰属致します。