さよならの朝に約束の花をかざろう(さよ朝)感想・考察(評価) これぞ感動巨編!圧巻の一言!!
作成日:2018/2/28
今回は、2018/2/24(土)日より公開された映画『さよならの朝に約束の花をかざろう(さよ朝)』を一日遅れで鑑賞しましたので、ネタバレてんこ盛りの感想・考察を記事にします。
個人的には一回見ただけではSF要素の設定が多い事や、時の流れが速く各々のキャラクターの感情全てを追うには物語の咀嚼の時間が足りないと感じたので二回鑑賞し、ある程度自分の中に作品を落とし込めた所で文章化するに至りました。
ちなみに今回映画やアニメの感想・考察を記事として述べるのは初めてなので見当違いな見方をしてる部分も多々あるかと思いますが、あくまでも一個人の価値観とお捉え下さい\(^o^)/
作品の紹介
今回自分は事前情報としては『あの花』と『ここさけ』で脚本を務めた岡田 麿里さんが初監督としてP.A.WORKSとタッグを組んで贈る作品だという事くらいを念頭においた鑑賞でした。
作品のあらすじ
物語の大局としては、何百年の時を生きる種族‘‘イオルフの民‘‘の少女マキアが親を失った赤ん坊エリアル*1と出会い、二人でヒビオル(人生)を紡いでいく‘‘かけがえのない時間‘‘を描いた物語です。
ここまで表現すると察する方も多そうですが、感動大作『CLANNAD(AFTER STORY)』を彷彿とさせる物語だと思いました。
スタッフ・キャスト
スタッフでは岡田監督を筆頭にFFのキャラデザを手掛けている「吉田明彦」さん。美術では『凪のあすから』でお馴染みの圧倒的な背景美を魅せてくれた「東地和生」さん。P.Aではお馴染みの方々を含めそうそうたるメンツだと思いました。
キャストではオーディションで見事初主役に抜擢された「石見舞菜香」さんの他はメイン全員ベテランクラスという突っ込む隙もない布陣となってます。
自分は当初スタッフで誰かが足りない?と感じました。そうです。「田中将賀」さんです。自分は『とらドラ!』や『心が叫びたがってるんだ』で等身大に描かれたリアルな表情が大好きだったので残念だと思っていました。
しかしラストのさよならのシーンの泣きの表情を見て田中さんの存在を確信した所でスタッフロールを注視していたら作画監督補佐に名前があり何故か安心しました(笑)
映画予告PV
予告は映画鑑賞後に見るのもおススメです!
映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』PV映像(マキアとエリアル編)
以下ネタバレ含めた感想・考察です!!
公式相関図年表順の考察
公式サイトにて時系列順の相関図が公開されているので専門用語の意味の補完を含めて順次考察(邪推含み)していきたいと思います。
出逢い~イオルフからヘルム農場へ~
ヒビオルとは??
イオルフの一族だけが織ることのできる特殊な布で、イオルフたちはその布に、自分の日々の出来事を綴り、日記のように扱っています。その縦糸は「流れゆく月日」を、横糸は「人の生業」を表現すると言われています。ヒビオルは終始物語の要だった。というよりはこの作品そのものがマキアとエリアルの日々を織る(ヒビオル)物語だったと思います。
ラシーヌと人間の間に出来た子供がバロウ説??
ラシーヌはマキアに「外の世界では誰も愛してはいけない」と説きますが、恐らくは「愛した」経験があり、そして種族の壁を越えられない為の「別れ」を突き付けられたからでた言葉だったのでは?と邪推しました。
今回のマキアとエリアルの関係において、もしもエリアルが青年時に母親として接してきたマキアに対して恋の感情がある事を認めてなお二人でいる事を選んだのであれば、その先はラシーヌと同じ未来が待っていたかも・・・。
いろんな方のさよ朝の感想を見ましたが、バロウがマキアの父親なのでは?というコメントも目にしましたが、分からない所です。ラシーヌに関してはメザーテでのレイリア救出作戦の時に助けてくれた際「ラシーヌ、いや長老が、、、」と言い直してる所から深い関係を匂わせる件があったのでこの邪推が生まれた訳ですが、、、。
約束の花とは??
過去作の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』と同様にタイトルに花を冠している訳ですが、タイトルの花の意味を考えてみる事にしました。
まず作中に出てきた印象的な花は冒頭の「ネモフィラ」と「タンポポ」になります。(他にも小麦とかありましたし見落としあったらスイマセン)
この花は冒頭のクリムとレイリアの逢瀬のシーンで咲いていた花ですね。冒頭過ぎて察するのに一間ありましたが相関図曰くマキアはクリムの事を慕っていたから涙を流していたんですね。同シーンにて確かマキアの涙が花に落ちて光輝いた(ような気が)演出がありました。
- どこでも成功
- 可憐
- あなたを許す
- 英名ではBaby blue eyes(赤ちゃんの青い瞳)
花言葉だけだとレイリアを表しているような気がしますね。なんというか物語全体を俯瞰して見ると前半はレイリアに当てはまるんですが後半はマキアを表していると私は感じます。まあこじつけです。なんというかマキアが一人の少女から母親そして一人の女性に成長した後の姿がまさにと言った気がします。
一番登場する回数が多いのはタンポポの方ですね。別れのシーンでもエリアルの孫がマキアにタンポポを渡しています。
- 真心の愛
- 愛の信託
- 神のお告げ
- 思わせぶり
- 別離(タンポポの綿毛の花言葉)
はい。全く見当違いかもしれませんし意図してないかもですが、結論です。
作品の中でタンポポは花開いている姿よりも綿毛の姿で登場する事が多かったと思います。何より作品を形容するのにピッタリな花言葉ではないでしょうか?
別離、一見すると良くない花言葉のように感じる人もいるかもしれませんね。
でも!この花言葉は、
「たんぽぽの綿毛が飛び立っていく姿」からつけられたもの。
卒業や転職など、現在の場所から巣立っていく人へ贈る言葉にピッタリです。
お別れになってしまうけど、人生の次のステージへ進む君を応援しているよ、という気持ちで伝えたいですね!
引用させていただきましたが、この花言葉は決して後ろを向いた過去に対しての別離ではなく、前を向いた状態での過去へ対しての別離だという理解がこの作品に合うのではないかと鑑賞後の今感じました。だってエリアルのヒビオルはマキアが生きている限り続く訳ですからね・・・。
監督の岡田さんはそもそもタイトルに固執していないみたいですが
約束の花=タンポポの綿毛と予想
なんでレイリアが姫様に??
分かりません(笑)誰か教えて下さい(疑問です)
きっと美しかったからですかね??
個人的に印象に残ったシーン
ここも随時更新します。ここはただ語りたいだけです。
冒頭の空
このシーンでグッと一気に作品に引き込まれました。
母親から赤ん坊を・・・。
ここでまず号泣でした。脳裏に死後硬直でこんな風にと考えてry)
始まりの朝
エリアルとマキアの日々を織る(ヒビオル)物語の始まる朝ですね。この作品の空は印象強く脳裏に残ります・・・。
腹ポン
エリアルがぬけがらのいたずらをするシーンでしたね。このあたりの腹ポンシーンが個人的に一番好きなシーンかもです。
マキアのエリアル成長過程の走馬燈
画像はありませんがやはりエリアルが生まれてから別れまでの一生の人生を振り返る回想は涙腺崩壊でした。
まとめ
順次、再度鑑賞&公式情報の開示の度追記していこうと思っています。
私個人の感想は、これまでのアニメ映画の中で間違いなく一番の‘‘感動巨編‘‘だったと自身のヒビオルに紡がれました(笑)
作品全体を通してみるとマキア・レイリア・クリム、イオルフの民は歳を重ねても外見は変わらないのでその他のキャラクターや髪で時間経過を表現するしかないのですが、王子⇄レイリアの邂逅描写が一回もない等突っ込みたい感情もありました。しかしそんな感情はエリアルを見送った後のマキアの「ごめんね、母さん約束破っちゃうね・・・」のセリフと共に舞い上がるタンポポの種と一緒に飛んでいきましたね(笑)
この作品に惹かれたというよりは、マキアの母親としての生き様に強く心惹かれたというべきかもしれません。そしてそんな親と子供の関係を描いた親子愛の人生の作品が一番好きなのです・・・。
中学生の頃からアニメを見始めましたが、時にアニメは自分の人生の価値観を変えてくれる存在だと再度痛感しました。自分にとってそれは『とらドラ!』だったり『CLANNAD』でしたが、この作品も間違いなく自分の人生に刻まれた作品となりました。
公開時期も春間近でこれから卒業シーズンとなります。「出会いと別れ」が題材となった作品としてはベストな時期ですね。
ブログやTwitterにて感想やコメントや記事への突っ込みの方いただけると嬉しいです。
さよ朝は人生
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*1:マキアが命名